
s a l o / 2026 gallery LE DECO
2025年の夏の終わり、フィンランド・ヌークシオを訪れた。森を歩いていると、名付けようのない気配をまとった石や木に惹かれていった。それらは鉱物や植物という枠を超え、ひとつの存在のように感じられた。その気配を辿るように歩いた先に、一本の若木が立っていた。彼らはこの若木を見せたかったのだと、私は感じた。
後に、この光景が氷河によってつくられたものだと知った。一万年前、氷河が溶け、その痕跡は湖となり、氷河に運ばれた石は「迷子石」と呼ばれるようになった。
今、迷子石の多くは苔や草木に覆われ、そこには新たな生態系が息づいている。
それぞれに許された時間があり、その重なりが、世界を次の世界へとつないでいる。私もまた、その連なりの上に生き、これから先をつなぐ一部なのだと、教えられた気がした。
若木が今もここに立っていることを想像するとき、私もまた精一杯に生きていようと思う。






2026年1/28(水)~2/1(日)
渋谷 gallery LE DECO 5F
こととこと展

